うさぎのメモ帳

脈々

2019年10月08日 - 2019年10月09日

スポーツが得意だ勉強が得意だと云われるように、人には個性と呼ばれる個体差がある。
努力ができる・体力がある・病気にならないといった目に見えるものから、一度見たものは忘れない・感情や音を色で見ることができる・物事の側面や本質を捉えることができる、というような目に見えない知力や思考方法に至るまで、個人の持つ機能のすべてに個体差はあらわれる。
そして、その個体差を決定づけるものは染色体による『遺伝』であり、在る私のすべては生まれるより前、その染色体が交わった瞬間から決まっていたのである。

「この自身を肯定することのできない思考も感情も、生まれる前から決まっていたのか」
そう絶望した俺は科学者となり、ついには自身の遺伝子を操作することに成功するのであった。
遺伝子操作によって自身に都合のよい肉体と精神を手に入れた俺は幸福への一歩を踏み出したはずだったが――